染めない生活

52歳で毛染めを止めました。

デパートで化粧品を買ったのはたぶん1回だけ

私はこれまでデパートの化粧品カウンターで化粧品を買ったことは一回くらいしかありません。

 

もうずいぶん昔、20代の頃です。

 

雑誌の口紅が欲しくて

 

雑誌で見た口紅が欲しくて(「ヴァンテーヌ」とかそんな名前の雑誌)、仕事が終わってから心斎橋の大丸かそごう(二軒並んでいたのでどちらに行ったのか忘れました)の化粧品売り場へ行きました。

 

確かヘレナルビンスタインという、名前しか知らないメーカーのカウンターに行って、何番のをください、と雑誌で見た通りのものを買いました。

 

カウンターにいた店員さん(アドバイザーというんでしょうか)と何を話したのか覚えていません。

 

覚えているのはその人に「お嬢さま」(!)と呼びかけられたこと。

20代半ばだったので、お嬢さまの範疇には入っていたかもしれませんが、そんな風に言われたことがなかったので妙に浮足立ってしまいましたねえ。

 

そして、デパートで化粧品を購入する人は、こんな風に扱ってもらえるのかと感心した覚えがあります。

 

見事に似合わなかった

 

家に帰ってさっそく付けてみたら、雑誌で見た時はあれほど素敵な色に見えたピンクかかったベージュが、絶望的に似合わなくて呆然としました。

 

落ち着いて考えてみれば、雑誌のモデルはブロンドヘアの白人モデルだったのです。

 

もうちょっと冷静に考えてみるべきでした。

あるいは、それこそカウンターでアドバイスを求めれば、違った色を勧めてくれたかもしれませんが。

 

デパートに限らず、いまだに店員さんのいる場所で化粧品を買うのは苦手です。

 

「メロディ・フェア」

 

こんなことを思い出したのは、「メロディ・フェア」(宮下奈都 ポプラ文庫)を読んだからです。

 

大学を卒業し、田舎に戻って化粧品のビューティー・パートナーという「人をきれいにする仕事」を始めた「私」の話。

 

でも、最初からうまくいかないのです。

ようやく就職できたのは、あんまりぱっとせず、みんなの後ろを小走りでついて行っているような感じの会社。

 

しかも、希望していたデパートの化粧品カウンターではなく、ショッピングモールの化粧品コーナーの一角に配属になります。

 

同居する妹との間の溝や、美しい人だったという前任者のこと、時どきやってくる本社のマネージャー、すっかり変わってしまった幼馴染のことなど、さざ波のように小さな出来事が起きます。

 

何か大きなことが起こるわけではないけれど、何となく止めることができずに読み進めてしまいます。

一生懸命に自分の仕事をする主人公が、とてもけなげでいい感じです。