染めない生活

52歳で毛染めを止めました。

ピアノコンクールでの戦い「蜜蜂と遠雷」

蜜蜂と遠雷」(恩田陸 幻冬舎文庫)を読みました。

直木賞本屋大賞を受賞した作品です(本屋大賞は「夜のピクニック」に続いて2度目の受賞)。

 

芳ヶ江国際ピアノコンクールを舞台に、1次予選、2次予選、3次予選、本選と戦い続けるコンテスタントたちの姿を描いた作品です。

 

登場人物

 

恩田陸の小説は、登場人物の造形がくっきりとわかりやすくて、それがどことなく劇画風(今は劇画なんて言いませんね)に感じられます。

 

この小説でもそれがはっきり表れています。

一度は天才少女としてデビューしたものの、突然の母の死によって表舞台から姿を消していた栄伝亜夜。

亜夜の幼馴染で、バランスのとれた音楽性を持つマサル・カルロス・レヴィ・アナトール。

今は亡き大御所の推薦状を持って現れた、風間塵。

楽器店で働きながらコンテストに挑戦する、28歳の高島明石。

 

それぞれの性格や背景がわかりやすく描かれているのと同時に、クラシック音楽界のことにも触れています。

世界的にファンが高齢化していて、若いファンの獲得が切実な課題であること。

コンクールや新人賞は乱立しているのに、食べていける人はほんの一握りであることなど。

この小説に登場する人は一般人から見ると眩しいくらいの天才揃いなので、彼らは食べることを心配しなくていいんでしょうけれど。

 

担当者の大変さ

 

文庫の解説を書いているのは編集部の担当者だった人で、「蜜蜂と遠雷」ができる過程が書かれていておもしろかったです。

 

作者の恩田陸から「ピアノコンクールの話を書きたい」と言われてから本が出来上がるまでに10年、連載7年、浜松国際ピアノコンクールへ取材に行くこと4回。

編集者の仕事も大変ですねえ。

 

だけどこの作品は直木賞本屋大賞のW受賞という快挙を成し遂げたのだから、苦労も報われたことでしょう。

 

映画化

 

蜜蜂と遠雷」は映画化されていて、今年の10月4日に公開予定のようです。

キャストは天才少女が松岡茉優、働きながらコンクールに出る高島に松坂桃李、亜夜の幼馴染に森崎ウィン、風間塵が鈴鹿央士。

 

もちろんのこと演奏は吹き替えでしょうが、俳優陣の演奏が嘘っぽくならないかどうかが難しいところですね。