染めない生活

52歳で毛染めを止めました。

「殺人鬼がもう一人」はたぶんイヤミス

若竹七海の「殺人鬼がもう一人」(光文社)を読みました。

 

今まで何冊も読んできて、うまいミステリー作家だということはわかっているので安心して読めると思ったのですが。

いえ、確かにおもしろかったのです。

 

だけどこれ、イヤミス(読んだ後イヤな気持ちになるミステリー)なんじゃ?

 

短編集

 

6つの短編を集めた短編集です。

全編を通して、辛夷ヶ丘市(こぶしがおかし)という架空の市が舞台になっています。

辛夷ヶ丘市は世間から忘れ去られたような、寂れたベッドタウン

こんなところにある辛夷ヶ丘署もまた、ろくでもない警官ばかりの吹き溜まりのようになっています。

 

ここの生活安全課に勤める砂井三琴と田中盛という二人のコンビが中心になって話は展開します。

 

ところが、この砂井はじめ、出てくる人物がことごとくどうしようもない人間ばかり。

どの人も自分のためなら何でも(犯罪でも)するのです。

 

あ、この人は正直でまともな人だと思っていたら、最後になってやっぱり……、という結末が待っていたりして。

 

始めはどうしようもない人間だちの、いささかダークではあるけれど、おかしさ漂うミステリーだと思っていたら、一つ一つと短編を読み進めるうちに段々と嫌~な感じが強まっていきます。

 

書いたご本人は「ひどすぎて笑える、たぶん」と言っているようだけど、あんまり笑えない。

だけどうまい。

ちょっとなあと思いながらも、おもしろくないわけではないから読んでしまって、後味の悪さにため息ついたりして。

 

きっと読者がそんな気分になることを承知の上で書いてるんだと思います。

 

置いていった本

 

実はこの本、若竹七海ファンである娘の本なのです。

一人で暮らす部屋へは、これは持って行きませんでした。

葉村晶シリーズは全部持って行ったのに。

これを置いて行った気持ちはよくわかります。

 

初めての一人暮らしと、慣れない仕事で四苦八苦している毎日には、生真面目ですぐに面倒事に巻き込まれながらも必死に事件を解決する葉村晶にそばにいて欲しいんでしょうね。