染めない生活

52歳で毛染めを止めました。

こういうエッセイを読むのが楽しみ

津村記久子のエッセイ「二度寝とは、遠くにありて想うもの」(講談社文庫)を読んでいたら、「行列」について書いているものがありました。

梅田にある百貨店の、あるお菓子を買うために並んでいる行列です。

 

行列の付加価値

 

津村さんはそれに並んでみて買って食べてみて、

やはり商品そのもの以上に、行列によって演出された付加価値を求める気持ちが、あの行列を作っているのは確かだ

と感じたようです。

そして、周りの女性でそのお菓子を食べたことのある人に聞き取りしたところ、並んでまで買うものではないと答えていたらしいです。

 

私はグルメでも何でもないので並んでまで食べたいものなどありませんが、以前にいつも行列のできている店でハンバーグを食べたことがあります。

 

その味はというと、まあ普通。

なんであんなに行列ができているのか摩訶不思議としか言いようがありませんでした。

きっと、人が並んでいるのを見て「そんなにおいしいのか、一度並んでみよう」と思う人が多いということではないでしょうか。

津村記久子は「行列は行列を呼ぶ」と書いていますが、その通りなのでしょうね。

私もその一人だったのですが、二回目は行こうとは思いませんでした。

 

そのときは母と一緒だったので(母に誘われて行ったのです)、並んでいる間もおしゃべりしたりして間がもったのですが、1人だと辛いです。

私はもう、「並ぶ」「待つ」ということへの耐性が、若い頃よりずっと弱くなっているように感じます。

飲食店でも病院でも携帯ショップでも、もう待ちたくない。

さっさとやって!ぐずぐずするな!

と、キレる老人みたいになります(心の中でね)。

 

しあわせの定義

 

この本のあとがきに、

科捜研の女」の再放送の録画を見るのが毎日の楽しみというわりと幸せな中年になった

とあって、こういうしあわせの定義の仕方もあるのかと思いました。

しあわせというと、お金があるとか豪邸に住んでいるとか海外旅行にバンバン行くとか(想像力が貧困かも)を想像してしまいますが、毎日ドラマの録画を見るのが楽しみというのは、小さいけれど誰にも邪魔されない確実な楽しみですね。

 

こういう力の抜けた感じがこの作者の好きなところなです。

 

ところで、作者の周りの同年代の女性はほぼ全員、「科捜研の女」を熱心に見ているらしい。

そんなにおもしろいのか、「科捜研の女」。