染めない生活

52歳で毛染めを止めました。

私はどんな老後が理想なんだろう

あるエッセイを読んでいたら、70代女性の暮らしぶりを書いた一節に目が留まりました。

自由ではつらつとしていて、こんな老後は理想かも知れないと感じました。

ただ日本人ではなく、フランス女性ですが。

 

ニコルの暮らしぶり

 

70代後半のニコルは、15年ほど前に旦那さんを亡くしてからパリで一人暮らしをしています。

背が高くてスタイルがよく、いつもきちんと髪を染めて薄化粧をかかさず、ディオールの赤いマニキュアを塗り、6週間に1度はプロにペディキュアをしてもらっています。

 

背筋を伸ばし、ヒールの靴をはいていつも動いています。

暇さえあれば映画館や劇場に行き、根っからの読書家でもあります。

自分で運転もして、友人のお見舞いや、親戚や友達の食事会に招かれたりと、暇を持て余すということがありません。

 

初夏には南仏ヴァール県の別荘に出かけ、シンプルな料理や土地のワインを味わいながら3か月ほどゆっくりと過ごし、日焼けした肌でパリに戻ってきます。

 

料理好きで、おもてなし好き。

パーティの時はいつも以上におしゃれに力を入れます。

 

見ているほうが楽しくなるほどに輝いている女性だけれど、掃除だけは好きではないとか。

「掃除している時間があったら本を読んでいたい。人生には、掃除よりも大事なことがある」と言って微笑むニコル。

 

 
自分はと言えば

 

70代後半とは思えないエネルギッシュな女性ですね。

一読した時は、いいなあこんな生活、と憧れの気持ちを抱いたのですが、考えてみると私には絶対に無理です。

 

そもそもすごく非社交的。

50代で人付き合いをしない人間が、70代になって社交的になるとも思えない。

別荘は持っていないし、持つ予定もない。

料理もおもてなしも、あまり興味はない。

 

ニコルとは真逆の暮らしです。

ニコルの暮らしを素敵だなと感じるのは、自分にはまったく縁のない生活だからかもしれません。

 

唯一共感できるのは読書好きというところだけ。

私も掃除するより本を読んでいたいタイプですが、家の中が汚くなると罪悪感を覚えます。

ニコルを真似て「人生には掃除より大事なことがある」と言ったところで、掃除していない言い訳をしていると自分で感じてしまいそう。

 

そんな私の理想の老後はというと、夫婦ともに健康で、ときどき家庭菜園などの土いじりを楽しみ、たまにサッカー日本代表の試合を見に行ければいいかな。

贅沢に憧れはするけれど、つつましい生活でもいいじゃないかという気がします。

 

「パリのアパルトマンから」(アトランさやか だいわ文庫)